執筆者:大竹 順子
オンラインでのOJT指導
今回はオンライン時代のOJT、特に自律型人材を育成するOJTについて少し書きたいと思います。
オンラインでの指導ではデメリットもありますがメリットも多くあります。
離れた場所からでもカメラを使って現場での遠隔指導ができるな機材さえそろえば随時指導ができます。
専門的な技術がある方の指導も遠隔で受けられる、これは大きなメリットですね。
いままでは技術者がわざわざ海外出張して指導していた場面でも、現場指導を遠隔できるようになり、移動時間含めコスト削減もでき効率よく指導できているというお話も聞きます。
ただし、指導前後の時間でのコミュニケーションが少なくなり、人間関係づくりは別途仕掛けが必要だというお話も聞きました。
この辺はオンラインのデメリットに含まれるのかもしれませんね。
そんなオンライン指導、どうしたらうまく進められるのか。
しかも自律的に動く人材を育成するにはどうすればいいのか。
これには多くの要素が考えられます。
書き出したらきりが無いので今回は特に“準備”にフォーカスします。
これは指導担当者が指導前に
- 必要資料を準備する
- 時間内に指導できるよう指導内容を理解しリストアップして準備する
- 通信環境を準備する
- 指導担当者のカメラ写り、画角、身だしなみなど見た目を準備する
など、地味ですが大切な準備もありますし、
OJTそのものの内容をしっかり準備することもあります。
本当に当たり前のことを列挙していますが
自律型人材育成につなげて考えるなら、ベース理論としては、返報性の法則や、ロールモデルを活用するリーダーシップ開発の理論、などが挙げられそうです。
更に私のお勧めは、この機会にOJT指導計画をしっかりと見直すことです。
OJT指導計画の見直し
OJT計画は、基本的に職務基準書や評価基準書に準じますが、そのようなものを揃っていない場合もあります。
いずれにしても、まずはそれぞれの仕事の棚卸から始まり、次にそれぞれの仕事ごとの必要能力をできるだけ多く洗い出すことです。
- 何年目までにどのような能力が必要なのか
- それはどうやって教えるのか(手法)
- 誰がどう評価するのか
- 達成基準は何か
などを明確にし、OJTを推進します。
そして指導をしながら見落としていた必要能力はないか、部門全体で相談しながらブラッシュアップしていきます。
指導を受ける側、特に新入社員は自分自身の成長に不安を持っていることが多いものです。
何キロ走るのか伝えずにフルマラソンを走らせようとしても、意欲的に練習に取り組めません。
仕事も同じで、1年後にはここまで成長して欲しいという全体像を示し、そのためにこれとこれをまずは身に着け、次にこれ、といった、成長マップを示してあげることはとても大切です。
また、指導担当者と部下・後輩がお互いにコミュニケーションをとれるようなツールを準備すると有効です。
指導担当者の方にこのような話をしますと、意外と「教えるべきことを一方的に指導するのみでした」といった返事が聞かれます。
OJTが担当者任せになっていないでしょうか。
- 年次ごとに必要となるスキルマップの整備
- 達成基準の明確化
- 指導ツールの整備
などなど
この機会に再度見直してみてはいかがでしょうか。