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株式会社屋部土建様

建設業

人材育成に力を入れることにより、従業員が成長しやすい環境を整え、学生からは魅力ある就職先として選ばれる企業に

株式会社屋部土建様について

株式会社屋部土建様のオフィス

株式会社屋部土建様は昭和8年に、沖縄県北部の名護市屋部で創業され、昭和25年3月に法人化されました。創立から74年の歴史ある会社です。2023年度の売上は235億円、従業員数は300名を超えており、沖縄県内のゼネコンの中でもトップクラスの規模を誇ります。

創業当時より土木と建築の総合建設、施工管理業務を中心とした事業を展開し、また船舶を保有しているため、空港や漁港など海での工事も得意としています。それらの実績が評価され、2024年には漁港漁場整備事業優良請負者表彰(農林水産大臣賞)を受賞しました。

売上の内訳は、建築6割、土木4割程度です。建築は公共工事と民間工事が半分ずつで、土木は公共工事がほぼ100%です。沖縄本島以外の離島(宮古島、石垣島、その他小さな島)や、奄美大島などでも施工を行っており、最近では福岡県に九州営業所を置き、情報収集を行いながら、県外の仕事にも精力的に取り組もうとしています。沖縄本島には名護市、浦添市、うるま市に営業所があり、現在は浦添本社をメインとして、大きく事業を展開していくように取り組みを進めています。

弊社、日本コンサルタントグループ(以下、ニッコン)は2019年より人事制度の見直しのコンサルティングを行い、現在は人材育成の研修も実施中です。この度、その成果などについてご担当者様にお話を伺いました。

――ニッコンを導入しようと思われた経緯についてお聞かせください。

入佐様)初めてご相談に伺ったのは5年前で、その時から40代の社員が非常に少ないことに不安を感じていました。採用をしていなかった時代があり、そのツケが今回ってきている状況です。この「40代が少ない」という課題を解決するためには、採用を強化し、新しく入った方々には早く成長していただければなりません。また、当社では2030年までに達成すべき目標を掲げております。当然、それに伴って技術者などの人材も増やしていかなければいけません。人が増えないと受注もできませんので。

当社には建設業の技術者を育てる研修制度や人事制度、等級や賃金も含めた細かい制度が整えていなかったため、スピード感を持って、人が育つ制度を作る必要があると感じていました。そこでネットで建設業向けに専門的な研修がないかと探していたところ、ニッコンさんのホームページを拝見して、「見つかった」という感じでした。東京に行く予定がありましたので、その際にニッコン本社に相談に伺いました。

――人材育成の研修や新しい制度をニッコンと一緒に作り上げ上で、どの点が効果的だったと思われますか?

入佐様)技術者対象の研修が効果的だと思っております。研修については、カリキュラムを決めて、受講すべき年代・役職に分けた階層別研修を行い、計画的な受講を進めています。これからますます効果が現れることを期待しております。

等級制度・賃金制度も一緒に作っていただきましたが、賃金の見直しをするという世の中の流れがありましたので、賃金制度を変えるちょうど良いタイミングでした。制度を作っていただいて、運用に力を入れていく予定です。

また、新入社員を採用して、早く一人前になってもらうために、スキルマップを一緒に作っていただきました。現在は土木工事部と建築工事部を中心に展開しています。まだ課題もありますが、実践することによってまた新たな課題が見つかり、次のアクションを起こすことができます。こちらが初めに想定していた状況にはまだ達してはいませんが、少しずつ形ができていると感じております。

研修やスキルマップのようなOJTは会社説明などで、当社の強みとしてアピールしております。効果も出ておりまして、そこを魅力に感じて応募してくれる学生も増えてきております。人材育成が当社の特徴として採用にも繋がりつつありますので、今後ますますより良い制度を作り、成果も出していけば、採用と育成のサイクルがうまく回っていくと思いますし、非常に期待しております。

オンラインインタビューの様子
(左側から)総合企画本部 常務 入佐学様、総合企画本部 HC課 村本美奈子様

――研修を受講された社員の方々は、どのような反応をお持ちですか?

入佐様)研修をやる度に終了後アンケートを取っているのですが、非常に好評です。以前は研修をやっていませんでしたが、今は様々な研修を計画・実施しておりますので、感想を見る限りでは非常に満足度は高いと感じます。「また次も受けたい」「周りの人にも受けさせたい」といった声もありますし、個々人の成長のきっかけ作りにも役立っております。一方研修で学んだことの活用がどの程度できているか、その確認が今後の課題だと思っております。

村本様)普段、現場で経験していることを改めて座学で学ぶことによって、意識やモチベーションが上がっている様子が見受けられます。また、普段それぞれの現場でお仕事をしている方々が研修に参加して、久しぶりに会う人や同期がいることで、よりコミュニケーションが深められている様子も見られます。研修を受講することで、知識や技術を得ることも大事ですが、同時に社内でのコミュニケーションも促進され、人間関係が更に深まる効果もあると思っております。

――人材育成について今後の課題は何でしょうか?

入佐様)階層別・テーマ別研修を計画通りに実行して、早く一人前になってもらい、現場や会社に貢献してもらえるように、取り組んでいければと思っております。

当社の社内向けのポータルサイト『YABUアカデミー』では、研修や人材育成の関連情報を全社に向けて公表しております。計画的に研修を受けられたり、これから受ける研修も先にオープンにしておいて、積極的に受講してもらい、早く成長できるように取り組んでいく予定です。今後もスキルマップやテクニカルスキルからノンテクニカルのところも含めて公表し、いつでも勉強ができる、研修を受けられるという状況を作るなど、どんどん環境を良くしていく方向で考えています。ハイパフォーマーをたくさん生むなど、そういったモデルケースを作ることができれば、ハイパフォーマーに憧れる人も出てくると思いますし、様々な相乗効果を期待しております。

村本様)建築や土木の建設業の現場では、天候や色んな都合で業務が進まないことがあります。やむを得ず、予定通りに進まない状況が発生してしまい、そのしわ寄せによって、より研修予定がスケジュール通りに進まないことがあります。そこを踏まえた上で、どうすれば計画通りに実施することができるかを工夫することが課題です。

社員の皆様は明るくて前向きな人が多いので、新しい試みも割とスムーズに進めることができるのではないかとは感じています。今後の研修にも積極的に参画して頂けるよう会社も私も頑張っていきたいと思っております。

入佐様)建設業界では「先輩の後ろを見て育て」という状況がずっと続いていました。私も入社当時は現場に出ていましたが、最初に教えておけば、もう少し段取り良く出来たり、問題を回避できたり、ということを実際に肌で感じていました。今は人材不足ですので、育成をきちんとしていくことが大切だと思います。私は建設以外のビジネススキルの研修を受けたことがあるのですが、研修で勉強したことが業務で役立つという実感もありましたので、研修は効果的だと考えております。人材育成に投資して、社員の価値が高まれば、社員の待遇や報酬も良くなりますし、会社も成果が上がります。そのサイクルがうまく回るようにしたいですね。人材育成という大きな貢献をしているわけですし、技術者を育成しているという誇りも意識して、取り組んでいきたいと思っております。

――今後ニッコンに期待することをお聞かせください。

入佐様)ニッコンさんにはやはり建設に特化しているところに期待しております。今後もより専門的な技術者育成の研修をしていただきたいですし、内容も刷新してもらいたいです。最近ではBIM/CIM(ビムシム)とか大型ロボットなども出てくるような話もありますし、建設業界はどんどん新しい技術が出てきていますので、新しい技術についても今後検討していただければと思っております。

また、現場の技術者だけではなく、現場を支える人達、書類作成や写真整理などで現場をサポートする部署もあるのですが、施工管理の周りを支える人の育成も今後は必要になってくると思っております。

研修をして、すぐに売上や利益に直結するかというと、なかなか難しい部分もありますが、長期的な視点で人を育成することが最終的に経営に繋がるという理念のもと取り組んでいくつもりです。 我々育成チームは、沖縄の技術者を育成しているということも自負しながら頑張っていきたいと思っております。

お話を伺った方
・総合企画本部 常務 入佐 学様
・総合企画本部 HR課 村本 美奈子様
・取材:オンライン
・公開日:2024年06月26日(名称等は公開当時のものです)

企業情報

会社名株式会社屋部土建
本社所在地浦添本社 〒901-2134 沖縄県浦添市字港川512番地55 7階
代表者仲座 義人
事業内容総合建設業
公式サイトhttps://www.yabudoken.co.jp/

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