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株式会社ヨックモック様

百貨店・専門店・SC

「接客を通したブランドイメージのアウトプット」を意識した階層別研修を一緒に作り上げ、「ヨックモック接客スタイル」の浸透と定着

株式会社ヨックモックについて

株式会社ヨックモック様は「シガール®」を代表商品とした洋菓子ブランドとして青山本店をはじめ、百貨店や空港・駅ビル駅中・SC・オンラインショップ等、国内外問わず幅広く事業を展開されています。「おいしさと笑顔が共にある世界を創る」というブランド理念を胸に、新しい価値を発信し続けています。
接客においてもその理念を大切にされており、日本コンサルタントグループ(以下、ニッコン)とは、「接客を通したブランドイメージのアウトプット」を意識した階層別研修を一緒に作り上げ「ヨックモック接客スタイル(以下、YM接客スタイル)」の浸透と定着に努めてきました。今回、研修の成果などについてご担当者様にお話を伺いました。

――コロナ禍の中で、どのような理由で教育を実施されたのでしょうか。

田中様)ヨックモックは今年55周年を迎える節目の年になります。今の日本はとても成熟した国ではありますが、それと同時に色んなものが溢れかえっている大飽和状態だとも考えております。2020年にコロナ禍が始まりその時に思ったのが、もしこのコロナ禍が落ち着いた時に、この大飽和状態の時代の中を今よりも力強く生き抜いていく為には、様々な面について他社との差別化を図っていかなければならない、その中で接客サービスも例外ではない、という事でした。
そんな中、私たちの目指している「ずっと新しく、そっと美しく」というブランドイメージを、接客を通してアウトプットしていく事こそが、この大飽和状態の時代を生き抜く上で、必要な手段の一つであると考えました。
ブランドイメージを体現する事を意識したヨックモック独自の接客スタイルを確立し、コロナが落ち着いた頃にはそれを現場で表現できている状態にし、他社との差別化を図っていきたいと思ったのが、コロナ禍の中で教育を始めようと思ったきっかけです。

――YM接客スタイルをコーディネイター(販売員の方のヨックモック様での名称)の皆様に浸透させるのに苦労された点をお聞かせください。

井上様)ブランドイメージが出来上がる前は、接客に特化した教育プログラムというはっきりしたものはない状態で、その中でも各店舗のコーディネイターは自分達の思う“良い接客”を行っていました。
浸透にあたって、まずはコーディネイターにYM接客スタイルの概念や作った背景を共有し、ブランドイメージのアウトプットの必要性や重要性を伝えた上で、階層別研修や店舗チェックを実践するなど数々のステップを経て、接客のレベルの向上につなげていきました。また、初めて商品知識向上セッションやインナーブランディングセッションも取り入れ、「ブランディング」「ブランドイメージ」の学びの時間を作り、ブランドイメージのアウトプットがブランドミッション(MVV)の言葉にもある“最高の顧客満足の提供に繋がる”ということをコーディネイターと共有しました。また、「YM接客スタイルを実践することがゴールではなく、今取り組んでいるYM接客スタイルや施策が何に繋がっているのか、改めて意図を理解した上で実践することに意味がある」という事については、まだこの先も継続して伝え続けていく必要があると感じております。しかし、今では本当に多くのコーディネイターが前向きに取り組んでおり、この2・3年、お客様からのお褒めの言葉も増えてきており、これもひとえにコーディネイターが一生懸命取り組んできた成果だと考えております。

――研修をした結果、どのような効果があったとお考えでしょう。

田中様)階層別研修が終わって、実際YM接客スタイルを実践し始めて数か月から半年で、少しずつお客様のリアルな反応が見られました。最初は挨拶に対して会釈や「こんにちは」と返して下さるという反応レベルでしたが、今では本当に多くのお褒めの言葉が届く様になり、お客様に寄り添う接客が伝わってきていることを実感しています。数字の話をすると、プラス1のお声がけにより売り上げに寄与するケースも出てきているのですが、そういった目に見える効果が表れることによって、コーディネイターの接客に対する意識も向上してきているのでは、と考えております。

井上様)店舗でもコーディネイターの「自分達で策を考えて実践する」という意識の向上が見受けられます。また、オリジナルの接客の基準ができたことで、店舗同士、コーディネイター同士の接客の目線合わせができるようになりました。ラインがあるとその基準に対して自分はどうなのか、接客教育はどうしていくのかなど、少しやりやすくなったのではないかと感じています。
また、店舗によっては自店だけで施策を考えることもありますが、他店舗と連携して施策を考えるなど、店舗間のコミュニケーション強化などの波及効果も出てきています。
階層別研修で一緒に勉強することで「他の人や他のお店ではどうやっているのだろう」と興味が広がり、一人ひとりの視野が広がったことも、今回得られた効果だと思います。

――コーディネイターの皆様の成長は実感できましたか?また、現場では変化はありましたか?

井上様)YM接客スタイルが日に日に店舗で浸透・定着されてきていると感じます。最初はぎこちなかったYM接客スタイルも、今では客観的に見ても自然に実践出来ている、という所に最も成長を感じています。お客様との会話が盛り上がっているシーンを見る事も増えました。

――教育担当者の方は研修の成果についてどのように感じられていますか?

田中様)繰り返しになりますが、何よりもお客様からのお褒めの言葉の増加や売り上げに寄与する接客がありますが、それ以外としては2023年度第八回接客販売技能検定ギフト販売2級の試験に受検者全員合格という実績が成果として挙がってきた事に嬉しく感じております。また、24年度期初に、社長から23年度の良かった点や課題の話がありました。その良かった点として、売り上げが良かったという話以外に7つ項目が挙げられたのですが、その1つが「YM接客スタイルの浸透・定着」でした。全部門から1つずつ選ばれるということではなく、他の6項目も本当に名だたる項目が選ばれているのですが、その中に入ってきたという事も非常に大きな成果として嬉しく感じております。

井上様)コーディネイターの心の変化も見られました。「自分たちで何ができるか考えてみよう」「お客様のためにこんなことができるかも」「私たちにもまだできることがあるのではないか」と、忙しいながらも今まで以上に前向きに変わってきています。それは店長だけではなく副店長や他のコーディネイターも頑張っており、そのスイッチを押せた事も今回良かった事だと思います。副次的なものですが、その店舗内の良い空気感の変化に嬉しく感じました。

――他の社員の方への影響はありましたか?

田中様)YM接客スタイルという共通言語が本当に浸透してきています。その言葉が色んなところで聞かれるようになってきていますし、本当に自然に出てくるようになってきたということが、全社員への大きな影響だと思います。
もちろん今までも新入社員への研修はしていたのですが、本当に基礎中の基礎でしかなく、現場で実践する接客の土台作りでした。今の接客研修プログラムは今までよりももう一段レベルアップした接客を実践しましょうという研修プログラムです。そのような接客研修プログラムがヨックモックにはあると全社員が自信をもって言える状態になったのは大きな影響だと考えております。

――現在の課題はどのようなことでしょうか。

田中様)2029年までのロードマップのお話ですが、2029年と言われても先過ぎてなかなかピンとこないので、基本は1年経ったら翌年のロードマップをブラッシュアップすることも含めて見直すことが必要になります。長いスパンで見て、今のコーディネイターの熱量や接客に対する意識の維持と更なる向上が我々の非常に大きな使命であり課題と考えております。
そのためには、研修を構築していく立場の私たちが、変化を恐れる事無く考え、取り組んでいくということをやっていかなければいけないと思いますし、2029年に向けて私たちCSIチームも必要に応じて変わっていかなければいけないとも考えております。

――今後の教育の展開や方向性についてお教えいただけますでしょうか。

田中様)現在、YM接客スタイル階層別研修受講対象店舗は30店舗弱です。方向性としてはそれ以外の店舗にも広めていくことが、当然ですが更なるブランドイメージのアウトプットに繋がると考えております。その為「接客を通したブランドイメージのアウトプット」を、限られたリソースの中で効率的且つ効果的に広げていく展開方法も今後検討していく必要があると考えております。

――今後のニッコンに期待されることはどのようなことでしょうか。

田中様)大前提としてニッコンさんとは2年間、「YM接客スタイルの体現=ブランドイメージのアウトプット=最高の顧客満足の提供」という共通認識の基で一緒に階層別研修を構築し、積み上げてきた経験値があります。コーディネイターが研修だけではなく、現場で実践することに対して、いかに飽きない・飽きさせないということが非常に重要な要素の一つであると考えております。コーディネイターが常に新鮮な気持ちで研修に参加できる、現場で接客に取り組める、そういった研修内容を、ニッコンさんにはご提案頂ける事を期待しており、そしてそんな階層別研修を共創していきたいと考えております。

お話を伺った方
・営業部 営業管理グループ グループ長 田中 宏明様
・営業部 営業管理グループ CSIチーム リーダー 井上 美奈様
取材地:株式会社ヨックモック 本社
公開日:2024年04月17日(名称等は、公開当時のものです)

企業情報

会社名株式会社ヨックモック
本社所在地〒102-0073
東京都千代田区九段北1-8-10 住友不動産九段ビル
※本店所在地:東京都港区南⻘山五丁目3番3号
代表者代表取締役 藤縄 武士
事業内容菓子製造販売、その他
公式サイトhttps://www.yokumoku.co.jp

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